午後の紅茶

 

 

 

昔から自分を追い込むことが苦手。

機会はたくさんあった。

習い事で柔道や水泳を習わせてもらったし、部活は陸上部だったから、自分を追い込むトレーニングは嫌というほどしてきたのだけど、過呼吸になったのはひどく悔しい気持ちで泣きながらトレーニングをしていた日、その一度だけで、あとは何年もの間、隣で倒れ込む子の背中をさすったり、水を持ってきたりする役目を果たした。長距離走のあとでも、座り込むけどそのうち立つ、決して動けなくなったりしなかった。

 

書きながら思う、そんなことって私だけでなくてみんなあんまり無いのかも。

でも実感として、まだ大丈夫なのに、早めにもう無理と思い始める。私はそういう人である。

 

だから私は自分に甘い、といつも自己嫌悪に陥ってきた。自分を追い込めないことは弱みで、いけないことであると思っていた。

一度で良いから星野源のように倒れるほど動いてみなさいと、心の中の私がいつも吠えてくるのだ。こわい。

 

でも最近また考えが変わった。

周囲にうつが増えたのだ。無理をしすぎた結果、みんな長期に渡って苦しんでる。

私のセーブ癖は立派に私を守っていたのだと、見方を転換できた。

苦しまなければいけないなんて全然ありえない。仕事は好きだけど、どれだけ好きだって、今の会社に勤めてるのはお金をいただかなければ暮らせないからで、やらなくて良いのならやらないから、つまるところお金を稼ぐ手段に過ぎない。好きでも。

ならやっぱり楽しく適当にやり過ごしたいなあ、

うつになんてなってたまるかよと思う。

 

だけど陰鬱な気分って感染すると思ってる。

こわいなあ、頼むからみんな元気を取り戻してほしい、みんなから元気を奪った社会がにくい。

 

そういえば一度だけ過呼吸になったとき、何がなんだか分からなくて鼻水がたくさん出てしまって、そんな姿で目があった先輩がいたな。恥ずかしかったけど優しかったな。あの人元気かな、はーあ、しにたいな。