その後

 

 

2023/8/19


彼が匂いと味を失って、4日ほど経つ。

当初酷く憔悴した様子の彼をみて、私も気落ちしたのだが、今日ではすっかり気を持ち直し、あらゆるものの匂いを嗅いでみたり、味わおうとしながら食事をとったりしている。

 

食事は、これまで通りできる限り共にし、同じものを。

これまでより気持ち、にんにくや生姜、ネギなど薬味を増やしている。塩分は血圧に障るので増やさない。

はじめはつまらなそうに食べ、味がしない‥と悲しんで、何も言わず食事を終えることが何度か続き、作るこちらも苦しくなっていたのだが、昨日の朝晩は「絶対美味しいよなあ」「好きな味な気がするなあ」と味がわからないながらにごはんを褒めながら食事。

(優しい彼なのだ)

 

現状

コーヒーの香りは、1割くらいだけど取り戻したみたい。

ただ豆では感じられるけどアイスコーヒーになるとわからなくなるみたい。

バナナが食べやすいみたい。

リンゴ酢とはちみつのドリンクは、「酸っぱいことはわかる」とのこと

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

道のりは長いのかな。

大好きなチョコレートをはじめ、甘いものが感じられないよう。甘党の彼だから気の毒だけど、一緒に食すことが楽しかったのだから、私も一緒に悲しい。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

この夜帰宅すると彼の嗅覚は多少戻って、

例えばコーヒーの豆の香りや、アロマオイルの香りがわかるようになった。

翌日には梅の味が、

その次の日にはカレーが、

更に次の日には、お味噌汁がわかるようになった。

 

 

 

なんども、もうずっと戻らないのではないかと

お互いに心配していたのだがまったくの杞憂で、

それでおさまったことが本当によかった。