早く彼が苦しみから解放されますように。

早く穏やかで健やかなあのくらしに戻れますように。

 

人は時に無力だということを嫌というほど感じて、もう、歳を重ねるごとに、祈ることばかり増える。

 

 

 

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家では愛する彼が死んだように寝ていて、ソーダストリームの、ガスを水に注ぐ音を発することがなんとなく憚られるがこんな日には飲酒したく、ゼリーを買い込んだ薬局の帰りに、懐かしの缶ビール飲み歩き。あれ、こんなに不味かったっけとある日々を思い返す。

毎晩のように缶を買って、何時間でも都内を練り歩いた。

雰囲気で酔えてただけなのか。

でもたしかにあの頃からすぐ気の抜けるそれを、不味いと思っていたよ私は。今日まで思い出さなかっただけ。

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来るべくして来たさよならについて