カロリー

 

 

 

 

私は女でありたかったのだった。

奔放で痩せていて服が好きで、ロングヘアが可愛くて、自分も他人もかなり愛せていて、好きなことがあり、毎日充実している、そんな女でありたかったのだった

 

ーーー

 

脂肪という名の服を着てという本を読んだ。

太った女の子が、彼氏に冷たくされ振られ、同僚マユミからの嫌がらせを受け、痩せることに囚われるあまり、自分を見失っていく話。

 

太った女の子、のこは私みたいだった。

デブで卑屈で、甘ったれで、優しいふりして、バカで。

私を見せられてるようでずっと胸が痛む。

 

美しいマユミが、のこの彼氏斉藤くんに言った「のこみたいな女じゃなきゃ安心できないのね、弱くて太ってて誰からも相手にされないような女」という発言。わかるー。どっちもわかる。そう思って人と付き合ってたことがある。多分その人も私をそう思ってた。エア図星。

斉藤くんも、のこも、私。

 

ーーー

 

それで。

そういうずるい気持に薄々気づいてたのが、やがて耐えきれなくなり、彼から離れた。全然違うタイプの人と付き合った。私はストレスが増えたのか減ったのか、すごく痩せた。好きで幸せなのに、何故か不安で、その人といる間はずっと死にたかった。

 

 

 

 

毎度、より女でいさせてくれる人に傾くのが私だな、でも努力だよ、救うのは自分だよ。気づいている、忘れてしまう日もあるけど。